八ヶ岳冬山合宿

2022年1月7日(金)~1月11日  


【メンバ-】

(おいさん)I藤、A田、T松、S水、(おばさん予備軍)T川
(若い人)T治、Y井t、M山、K島


【行程】

1月 7日(金) 伊藤邸出発(21:00)==東九州道・山陽道・名神・中央道==

1月 8日(土) 名神・中央道==(10時頃)美濃戸口(11:00)・・赤岳山荘(11:50-12:10)・・赤岳鉱泉(14:25)

1月 9日(日)
【裏同心ルンゼ氷雪組】赤岳鉱泉・・(裏同心ルンゼ)・・(大同心稜)・・横岳・・赤岳・(文三郎道)・行者小屋・・赤岳鉱泉

【一般ルート周回組】赤岳鉱泉・・行者小屋・・(文三郎道)・・赤岳・・(地蔵尾根)・・行者小屋・・赤岳鉱泉

1月10日(月) 赤岳鉱泉(8:00)・・美濃戸口(10:00)==中央道・名神・山陽道==姫路(カプセルホテル泊)

1月11日(火) 姫路(6時頃)==山陽道・中国道・東九州道==伊藤邸(14時頃)(解散)


【コメント】

(SL:T松)


「気が付けば40年、おいさんたちと八ヶ岳 ~騙されるな若い人~」

今回の山旅、参加者の約半数(9人中4人)は、なんと、自分も含め、60歳代のオイさんだ。いや爺さんというのが相応しい。
60歳代と言っても新加入者から古稀前の人まで幅広い。
ピッケルよりも木魚と数珠が良く似合う坊主頭。
シミ、しわ、白髪に染めてもいないのに白髪の一本もない黒髪の異常者。
実は、このオイサンたち40年以上も前から、自分たちの奥さんよりも長いつきあいである。
この年で山登りは相当キツイはずだが元気がいい。普通の年寄りに比べても元気良過ぎる。
とは言え、寄る年波はやはり隠せない。
口の脇から行動食がポロポロこぼれる。が、気づいていない。
飲み込みも悪い(誤嚥性肺炎の危険)。小便も近い。漏れもある。スケベ話が大好きだ。
山小屋の洋式便所に感動する(脱糞した直後から凍りついてゆく落とし便所のウンコの山しか知らないのだ)。
山から下りれば楽しみは酒。酒で顔が赤くなっても雪焼けだとごまかす。若かった頃の苦労話を針小棒大に話す。
酒はいくら失敗してもやめきれない。ひざ痛も酒が効く。
あと何年も使えるわけでもないのに新しい装備を欲しがる。
あ~んあれ、あそこじゃ・・・なかなか言葉が出てこない。が、おいさん同士の会話は不思議と通じている。 全く違うことを思い浮かべて通じていると思っているだけかも知れない。
打ち上げの高価な創作料理よりも、エイひれや煮干しを肴に飲む焼酎が好きだ。
若い人、こんなおいさんたちに大切な山行を牛耳られていていいのか。おいさんたちに騙されてはいけない。
おいさんたちはあなたたちが思っているほど深く考えていない。人格者でもない。ただの元気のいい爺さんなのだ。
彼らは年老いていく自分が怖いのだ。本当は若い人たちに引っ張ってもらいたいのだ。確かなことは、爺さんたちは純粋に山が好きだ。
山が好きな人たちが好きだ。山を嫁さん?と同じように愛してきた。ただそれだけだ。
かくして、今回、爺さんたちは厳冬期の八ヶ岳を思う存分楽しんだ。
山に合掌。礼拝。

PS I藤さん。ビールの差し入れありがとうございました。またお願いします。


(T川)
「日本のほぼ中心に位置し、山梨県北部から長野県諏訪地方にかけてまたがっている八ヶ岳。 最高峰の赤岳に台風を背負ってくる雨男I先輩と、てるてる坊主こと太陽の申し子である晴れ男A先輩と山頂に立つ。」

1月7日夜間から始まった9人のレンタカーでの旅。長野まで片道13時間の走行。
1月8日(快晴)AM10時頃、美濃戸口登山口に到着するが、登山口は満車。ぐるぐる旋回し何とか駐車。車の多さに呆然とする。
いざ赤岳鉱泉へ
登山口の雪は少なかったが、林道を歩き始めると周りは白銀の世界。途中、赤岳山荘で休憩。
川を渡り綿帽子のような積雪と樹木には真っ白い泡のように付着している大量の雪を眺めながら、慣れない冬用登山靴で前に進む。
眼下に氷の柱が出現。氷の柱(アイスキャンディー)に沢山の人が上っている。人の多さ、テントの多さにまたまた呆然とする。
2220m赤岳鉱泉に到着。ここは、強者どもの巣窟のようで気後れする。
赤岳鉱泉到着後、山荘での苦汁(Beer)訓練が開始。虚弱体質高齢3人トリオは、この厳しい訓練に耐え、 ほっけの夕食を完食して川の字になって炬燵就寝。

1月9日(快晴)AM8時半頃、赤岳鉱泉を出発。北欧のような雪景色が永遠と広がる。
行者小屋を上がり、中山展望台で赤岳、阿弥陀岳と素晴らしい絶景をトリオで愛でる。空が七色に変色し光る。言葉で表せないほど美しい。
文三郎尾根を進んでいくと雪と氷に埋もれた鉄階段を上り高度が上がっていく。 ピッケルを片手に覚束ない私に、I先輩からアイゼンの歩き方指導が飛ぶ。
急登を上るにつれ、足が重くなる。岩場なのだろうが、雪に覆われいる。高度が上がるにつれ風も強くなる。 生まれて初めての経験。無心で足をゆっくりと運ぶ。
I先輩の「頂上だ」と言う言葉とA先輩の笑顔で2899m赤岳山頂に着いた事に気付く。 強風の中、ハグと握手を交わし記念撮影。南アルプスの稜線が美しい。感無量。
強風の中、そのまま赤岳山頂山荘を横切り、赤岳展望荘にて昼食。A先輩は、凍ったバナナを片手に満面の笑み。
ほっこりとした雰囲気も束の間、地蔵の頭から、地蔵尾根を下って下山となるが、地蔵の頭から、私は次郎(おさる)となる。 I先輩(村崎太郎さん役)のザイル捌きの元、急な下りを横歩きで下っていく。
「ザイルを踏まない。足元をしっかりと踏みしめて、ゆっくりと」I先輩の檄が飛ぶ。 A先輩とI先輩の間に守られながら積雪の急坂を下り、行者小屋に到着。
ここで太郎と次郎は解散。氷雪班を待つが合流できず、赤岳鉱泉へと帰り着く。
氷雪班の帰宅確認後、本格的なトリオでの苦汁訓練が再び開始。
その訓練中に、I先輩と10月に剱岳を登った際に、言葉を交わした東京のYさんから声をかけられる。覚えて下さっていた事に驚く。 「九州の方ですよね。剱岳でお会いした?」こんな偶然があるのだ。
夕食のステーキを完食し、Yさんと共に4人で大部屋で談笑。 人との出会い、繋がりは不思議なものである。本日は、大部屋で川の字になってトリオで爆睡。

1月10日AM8時頃、氷雪班のテントを撤収し赤岳鉱泉を後にする。 夢のような風景と時間、驚きの出会いに別れを告げ、赤岳鉱泉からあっという間に美濃戸口登山口に到着。
登山口近郊の温泉に浸かり英気を養いレンタカーで6時間程かけ姫路に到着。
初体験のカプセルホテル。9人での夕食の際にマッキンリー山(デナリ)での珍事件を耳にする。 マッキンリー山経験者からの武勇伝とマッキンリー山(6194m)を志している若者達へエールを送る。
凄い目標。目を輝かせて語り合っている強者どもを眺めながら心が高揚する。 夢のような話に心躍らせて、いち早く北米の夢の中へ入眠。

1月11日AM6時頃、レンタカーで姫路を出発し、7時間程かけ現実世界に帰還する。
思えば、トリオで下山していた際に足を負傷し動けなくなっている女性と連れの男性に遭遇。 救助隊が出動し赤岳鉱泉まで女性は運ばれ赤岳診療所で治療を受けていた。 9人怪我もなく笑顔で帰宅できた事、抗原検査で陰性であった事に安堵する。
1月11日は、私の誕生日であった。
初めてのレンタカー旅、初めての本格的な雪山、初めての長野、初めてのカプセルホテル、思いがけない出会い、初めて見た素晴らしい景色と風景、レンタカーでのひととき、忘れられないプレゼントばかり。 この計画と準備をしてくれた仲間に心から感謝する。
     思いを行動にする事・・・・先輩方の行動力に感服
最後に、素晴らしい天気をもたらしてくれた「てるてる坊主こと太陽の申し子」A先輩にも感服

登山経路(クリックして拡大)

夜間走行の長旅で美濃戸口到着。荷台に積まれた晴れ男大明神。
さて、どうパッキングするか悩むM山嬢
長老の訓示はザック担いで直立不動です。
本来ならここまで車で来れる赤岳山荘着。正面に阿弥陀岳
おいさんの咆哮。いや、超スーパーおいさんも欠伸します。
超重いザックで流石にスピードは出ません
やっと中間点を過ぎました。
八ヶ岳の尾根が見えてきました。もうすぐです。
氷雪組が目指す大同心が見えてきました。長いアプローチが終わります。
赤岳鉱泉到着。巨大なアイスキャンディーが。
その夜は快晴の満天の星


下山日。赤岳鉱泉で集合写真。これから下ります。
オマケ(諏訪湖SAにて):Nりちゃんではこう軽々と無理かな
姫路で打ち上げ。なぜか、おいさん(おばさん予備軍も)と若者のお見合い。
正面に並ぶおいさん達に若者達は・・・・。
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